醫光寺の正式な寺名は摩尼山高源院醫光寺(まにさんこうげんいんいこうじ)で、開祖は不詳ですが、飛鳥時代の和銅2(709)年に開山され、天和2(1682)年に範順僧侶により再興されたと伝えてられています。範順僧侶を中興の祖とし、現在まで23代、その法灯を引き継いでいる真言宗智山派の寺院です。
御本尊は行基菩薩作の薬師如来で、12年に一度、寅年の春に御開帳されます。醫光寺の縁起によれば、御本尊の薬師如来について、次のように伝えられています。
富津周辺で疫病が流行していた開山当時、光を放つ木が数十日間、下州浦の沖合に流れていました。不思議に思った漁師達がその木を海岸に引き上げると、光は夜も発して、あたりが白昼のように変わったそうです。たまたま、この地に来ていた行基菩薩がその霊木を使い薬師如来を二体作られ、一体を醫光寺に、もう一体を武蔵野国の寺院に祀ったところ疫病が治まり、薬師湯も出たそうです。
また、境内には六地蔵尊(地獄能化・餓鬼能化・畜生能化・修羅能化・人間能化・天上能化)と水子地蔵尊も祀られています。
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