高蔵寺は真言宗豊山派に属し、通称「高倉観音」と呼ばれ、地元の人に親しまれていると共に、坂東三十三観音の第三十番札所となっており、多くの人が訪れる、かずさ地域の名刹です。
高蔵寺は6世紀の用命天皇(ようめいてんのう)の御代、徳義上人(とくぎしょうにん)によって開創されたと伝えられています。上人がこの地で修行中のある日、雷がしきりに起こり、里人たちは世の変化の現れと恐れていました。上人はこれを妙縁として、一人山中に籠りました。そこへ老翁が現れ「衆生済度のために飛来した観音をここに安置した」と古木を指し姿を消しました。上人がその梢を見ると、そこに四寸(約12p)ほどの観音像が安座していたので、上人は里人と共に堂宇を建立して安置したことが高蔵寺の始まりであると伝えられています。
高蔵寺のご本尊は、その後、行基が訪れた際に刻んだ一丈二尺(約3・6m)の正観音像で、徳義上人が祀った像はその観音の頭部の中に納められています。高床式の本堂の床下を巡る地獄界・極楽界・観音浄土巡り(大人300円、小人 100円)をすることにより、秘仏とされていたご本尊の全身を床下から常時拝観できるようになっています。
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