満足山成就寺(木更津市)

 木更津市のJR木更津駅西口にある成就寺は日蓮宗の寺院です。
 日蓮宗のお寺で御朱印をいただく際には、日蓮宗ならではの特徴を知っておく必要があります。日蓮宗では「御首題(ごしゅだい)」と「御朱印」の2種類があります。御首題とは日蓮宗独特の御朱印で、「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」という御題目(おだいもく)を書いていただくもので、原則、日蓮宗の寺院のみが記載されている御首題帳にのみ書いていただくことができます。
 他の宗派の寺院や神社の御朱印が記載されている御朱印帳には「妙法」等の御朱印をいただくことになります。
 成就寺には御題目の御首題のほか、妙法、大黒福壽尊天や毎月8日・18日・28日限定の鬼子母神の御朱印があります。
 成就寺の正式な寺名は寶珠院満足山成就寺(ほうじゅいんまんぞくざんじょうじゅじ)といいます。室町時代の応永33(1426)年2月8日、京都妙満寺第4世鶴林院智藏日運上人(かくりんいんちぞうにちうん)が開基となり、第2世の日善上人を伴い、この地に建立されたと伝えられています。
 成就寺の開基である鶴林院日運上人は、日什上人の日蓮聖人への帰依のみ心と布教の姿に感銘を受けて弟子となり、会津六老僧の日仁上人らと天奏(天皇に仏法を説くこと)をとげ、京都、出雲、鎌倉、品川、会津の各地で布教教化し、寺院を建立しました。
 その後日運上人は応永20年代、京都本山妙満寺第4世となって護持されましたが、応永32(1425)年の春に日範を鎌倉へ遣わして、同年夏に實乘坊日舜に後事を託し、その翌年に木更津成就寺を開創したそうです。
 日運上人は弁論が巧みで、説法を一日も怠らなかったと伝えられています。他に『門徒古事記』を著しています。
 成就寺の名前は、「善悪を見極める智慧の宝の珠(素晴らしい心)をいただいて、素晴らしい人間になって(成就)、はじめて満足することができる。本当の満足を得られるように、素晴らしい人間になれるように精進努力する」ことが由来となっています。
 御本尊は久遠実成釋迦牟尼佛(くおんじつじょうしゃかむにぶつ)と大曼荼羅御本尊(だいまんだらごほんぞん)です。本堂の扁額の両脇には江戸時代の彫物大工 波の伊八作の狛犬をみることができます。
  山門から境内に入ると、正面に本堂、右手に鐘楼、本堂の左手前に大黒天の像、左手奥に針供養塔があります。
 成就寺では毎年2月8日に、「針供養」が行われています。かつて針仕事は女性にとってとても大切な仕事であったため、お世話になった折れた針や古くなった針を、感謝の気持ちを込めて柔らかい豆腐やこんにゃくに刺し、納めて裁縫の上達を願いました。現在でも裁縫などの仕事に携わる女性たちが縫い針を持って訪れているそうです。
所在地 木更津市富士見1‐9‐17
 ※ カーナビによっては自動車が入れない、寺院北側のみまち通り(木更津駅側)が案内される場合がありますが、寺院西側山門から入って下さい
御朱印・御首題 500円(御題目、大黒福壽尊天、鬼子母神)、300円(妙法、啓運)
 ※ 鬼子母神は毎月8日・18日・28日限定
 ※ 御朱印・御首題を希望する方は、住職が不在の場合があるため事前に問い合わせて下さい

〈問合せ〉
TEL0438(22)5954 満足山 成就寺
TEL090(8941)3359 住職携帯
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