成田山新宿不動堂(木更津市)

 木更津市の吾妻地区にある新宿不動堂は関東八十八カ所霊場第49番、上総の七福神霊場「弁財天」、新上総國三十三観音霊場第25番、上総國薬師如来霊場第15番、上総保久利地蔵霊場第1番の札所になっており、それぞれの御朱印があります。写真の御朱印は関東八十八カ所霊場第49番のもので、御本尊の不動明王(ふどうみょうおう)の文字が記されています。
 新宿不動堂の正式な寺名は成田山新宿不動堂(なりたさんしんじゅくふどうどう)で、成田山新勝寺の木更津出張所として僧 深山観全により明治初期に開山された、真言宗智山派の寺院です。
 御本尊は不動明王で、仏師 浅子作と伝えられています。
 新宿不動堂の縁起は江戸時代までさかのぼります。当時の寺名は羅漢寺で、現在と同様に「新宿のお不動様」と呼ばれ、お不動様との縁が深かったことが、成田山新勝寺にある仏教図書館の文献や鳥瞰図に記されています。
 その頃は、歌舞伎役者の市川団十郎の人気も重なり各地で成田山詣が盛んでした。木更津でも漁師、商人たちがこぞって講を組み、成田へ向かっていた様子が残っています。この、信仰心の厚い人々の力で明治元(1868)年に成田山新勝寺が篤信者のために特別に認め始めたのが「成田山木更津新栄講」で、130年以上の歴史をもっています。
 明治初期に、僧 深山観全により新たに開山された際、成田山新勝寺に出入りしていた仏師 行徳の弟子である浅子作といわれる三体の不動明王の内の一体を、新宿不動堂が新勝寺より勧請しました。これにより、成田山末寺末教会の縁を結ぶ事となりました。また、この不動明王は浅子が作成したものの中でも力作「不動三兄弟」といわれ、一体は成田山東京別院の深川不動堂が観請しましたが、もう一体は残念ながら、現在所在不明となっているようです。
  新宿不動堂は当時の上総国郡内186カ村をはじめ、千葉県市原、安房夷隅内の村々231カ村にわたり信者が広く分布し、房総一帯にその数は最大3000人以上となっていたそうです。
 平成31(2019)年に大改修が完了し、御本尊の「不動明王」像などがきれいに修復されました。また参道も広くなり、バリアフリー対応で参拝しやすくなりました。
 庭には樹齢150年の山ツツジや河津桜、しだれ桜、染井吉野、鎌足桜などが植えられていて、季節になると花をつけて参詣者の目を楽しませてくれます。
所在地 木更津市新宿12‐15
御朱印 500円(関東八十八カ所霊場第49番、上総の七福神霊場「弁財天」、新上総國三十三観音霊場第25番、上総國薬師如来霊場第15番、上総保久利地蔵霊場第1番)
 ※ 書置きは専用台紙になります
 ※ 住職が不在の場合は専用台紙の書置きのみとなります。御朱印帳への記載を希望する方は、事前に問い合わせて下さい

〈問合せ〉
TEL0438(23)4328 成田山 新宿不動堂
http://www.kisarazu-fudoudou.com/
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