龍頭山 東光院 峯薬師(木更津市)

 木更津市桜井にある東光院の正式な寺名は龍頭山東光院(りゅうとうざんとうこういん)で、真言宗豊山派の寺院です。寺が位置する土地の字名が「峯」で、御本尊が「薬師瑠璃光如来」であることから地元では「峯薬師(みねのやくし)」 と呼ばれ、親しまれています。
 峯薬師は関東九十一薬師霊場第86番札所になっており、御朱印には山号院号の「龍頭山東光院」と「峯薬師」の文字が記されています。
 縁起については奈良時代に行基によって創建されたと伝えられています。
 峯薬師の山道の入口は国道127号沿いにあります。石段の左側には行基と桜井の地名にまつわる伝説の井戸が今も保全されています。行基が巡錫の際に水不足に悩む地元民を見て、祈りながら桜の枝で地面を突いたところ水が湧き出たので「桜の井戸(桜井)」と名付けたという伝説があり、この井戸水は眼病に効くといわれ、水を求める人々のお参りで賑わったとのことです。
 参道の石段を上ると仁王門が見えてきます。この仁王門は宝暦9(1759)年に再建されたものです。
 仁王門の前で振り返ると、遠くに東京湾や対岸の景色を眺めることができます。


仁王門をくぐると、正面に本堂が現れます。本堂は元禄10(1697)年に再建されたものです。


 境内の右手には鐘楼があります。鐘楼は天保13(1842)年の再建後、平成18(2006)年に江戸時代の造りをそのまま残す形で再建されました。

 境内は眺望絶景で木々や花々も多く、古くより木更津八景の一つ「峯薬師の晴嵐」としても知られています。
 峯薬師は、江戸時代には檀家が無く、請西藩主の祈願寺でした。地域の信仰の対象として、正月や七五三などの折りには、近隣の諏訪神社と共に賑わう参詣寺でもありました。
 峯薬師の秘仏「薬師瑠璃光如来」は、高さ164・4pの仏像です。ヒノキ材を荒彫りした寄木造りで、彫り込まれた目には白い胡粉の上に墨で瞳が入れられています。着衣形式、作風から銘文に記されている文永9(1272)年に近い以前の制作と推定されており、昭和30(1955)年に「木造薬師如来立像」として千葉県の文化財に指定されています。
 12年に一度、寅年の春に御開帳され、寅年である2022年は3月27日から5月8日に御開帳されました。次回は12年後となります。

所在地 木更津市桜井1430
御朱印 300円
 ※ 御朱印を希望する方は、住職が不在の場合があるため事前に問い合わせて下さい

〈問合せ〉
TEL0438(36)2605
 龍頭山 東光院 峯薬師

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