君津市漁業資料館
 江戸時代後期から昭和30年代半ばまで続けられた、君津のノリづくりを中心とした漁業資料が展示されています。
 次世代に伝えたい20世紀遺産に指定
 昭和63年5月にオープンした漁業資料館は、ノリと漁業に関する貴重な資料を保存し、テーマごとに展示するなど「ノリと海の資料館」として親しまれています。
新日本製鐵褐N津製鐵所(当時の八幡製鐵所)の進出により、製鉄の町として大きな発展を遂げるに至る以前、君津はノリづくりの産地として栄えていました。
君津市のノリ養殖は、歴史をさかのぼると江戸時代後期に1人の男の情熱を原動力に始まったものなのです。
この資料館では、千葉県で初めてノリづくりに成功した近江屋甚兵衛(おうみやじんべい)にスポットをあてた、上総ノリ誕生までの様子や、昭和20年代〜30年代当時のノリづくりに携わる人々の姿を模したロウ人形、漁業道具の数々が見られます。
これらの歴史を修めたこの資料館は、君津市の次世代に伝えたい20世紀遺産に指定されています。

 主な展示内容
○ふるさとの海 今・昔
 
君津市の海岸地域はおよそ4qにわたって遠浅な浜辺が続き、春から秋にかけては貝や魚がたくさんとれ、冬には一面にノリヒビがたてられていました。
 昭和30年代の後半から海がうめたてられ、新日本製鉄(現:日本製鉄)君津製鉄所の工場ができ、海の様子は大きく変わりました。ここでは、地形模型とカラー写真によって、昔と今の海の変化の様子が紹介されています。
○上総ノリと近江屋甚兵衛
 
私たちの住んでいるところは、昔は「上総の国」といわれていたことから、君津の海でとれたノリは上総ノリと呼ばれ、人見から坂田、大和田、さらには富津、木更津、市原方面へと広がっていきました。
 このコーナーでは、千葉県で初めてノリづくりに成功した近江屋甚兵衛にスポットをあて、上総ノリが誕生するまでのいろいろな苦労の様子が紹介されています。
○ノリづくりと技術の発達
 
甚兵衛が行ったノリづくりの方法は、その後多くの人々の研究や努力によって、いろいろと技術が改良されてきました。
 このコーナーでは、主として昭和20年代〜30年代にかけてのノリづくりの様子をジオラマ(模型)と資料によって展示し、あわせて技術や道具の発達について紹介されています。
<ノリづくりの流れ>→ノリヒビづくりからヒビのたてこみ→ノリとりからノリ切り→ノリつけからノリの乾燥→ノリの販売とかたづけ
 海の幸を求めて
君津の沖には、たいへん豊かな漁場があり、網、針、あるいは「もり」などを使う漁がさかんに行われていました。
昭和36年に君津漁業協同組合が、また昭和40年5月には坂田漁業協同組合が漁業をやめることになり、君津漁業は長い歴史を閉じることになりました。
所在地 君津市人見1294‐14
休館日 月曜日(祝休日と重なる場合は、翌火曜日も休館)、祝日の翌日、祝日、年末年始
開館時間 9時〜16時30分
入館料 無料
交通 君津駅北口からコミュニティバス人見・大和田・神門線「神門バス停」下車 徒歩3分
駐車場 5〜6台程度:駐車無料

〈問合せ〉
TEL0439(55)8397 君津市漁業資料館