千葉県金鈴塚古墳出土品
「国の重要文化財」に再指定

告示日 令和2年9月30日 文部科学省告示第121 号 (官報号外第203 号掲載)
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市内長須賀 430 番1所在の金鈴塚古墳では、昭和 25 年4月、7月に発掘調査が行われました。
この調査により、金鈴・飾大刀・馬具・鏡などの多くの遺物が出土し、昭和 34 年6月に、
「上総木更津金鈴塚古墳出土品」として国の重要文化財に指 定されました。
 平成 22 年度より継続的に行われた出土品の再整理事業により、各遺物の詳細、
点数等が確定しました。この成果を受けて、全ての出土品が重要文化財に再指定され、
名称を「千葉県金鈴塚古墳出土品」に改め、9月 30 日に告示されました。
 金鈴塚古墳について
金鈴塚古墳は、木更津市長須賀にある墳丘長約90mの前方後円墳で、6世紀末の築造と考えられています。現在は、後円部の一部と横穴式石室が保存されています。
昭和25(1950)年に発掘され、出土した大量の副葬品の中から金製の鈴が見つかったことから「金鈴塚古墳」と命名されました。
金鈴塚古墳から出土した大量の副葬品は当時の古墳文化を語る上で代表的な遺物が多く、装飾付大刀(そうしょくつきたち)・鏡・金製の鈴・儀礼用の沓(くつ)・銅製容器類等があり、奈良県の藤ノ木古墳(ふじのきこふん)と比較しても副葬品の豊富さでは見劣りしないと言われています。 
金鈴塚古墳からの出土品は、昭和34(1959)年6月27日に「上総木更津金鈴塚古墳出土品」として国の重要文化財(考古資料)に指定されました。
 再指定に向けて
その後、平成22年度より継続的に行われた出土品の再整理事業により、各遺物の詳細、点数等が確定しました。
この成果を受けてすべての出土品が国の重要文化財に再指定され、名称を「千葉県金鈴塚古墳出土品」に改め、9月30日に告示されました。

 金鈴塚古墳出土品の特徴
金鈴塚古墳出土品の特徴の一つとして、装飾付大刀の種類と数の豊富さがあげられます。
装飾付大刀19点のうちの5点は、倭の工房では見られない技法が使われ、朝鮮半島の技術による製作と予想されるため、百済ないし中国からもたらされた舶載品(はくさいひん)と考えられます。


種類は、単龍環頭大刀(たんりゅうかんとうたち)1点、単鳳環頭大刀(たんぽうかんとうたち)1点、獅噛環頭大刀(しがみかんとうたち)3点で、刀の柄頭(つかがしら)にそれぞれ神獣の「龍」「鳳」「獅」の装飾が付けられています。
<単龍環頭大刀(たんりゅうかんとうたち)>

<単鳳環頭大刀(たんぽうかんとうたち)>

<獅噛環頭大刀(しがみかんとうたち)>



なお、金鈴塚古墳と同じ頃に造られた千葉県内の古墳で、舶載品と考えられる装飾付大刀を出土した古墳は金鈴塚古墳以外にはありません。関東地方では群馬県綿貫観音山(わたぬきかんのんやま)古墳から舶載品と考えられている装飾付大刀が1点出土しているだけであることからも、金鈴塚古墳の出土品の貴重さがうかがえます。
この出土品は木更津市郷土博物館金のすずに収蔵されています。








********** 千葉県金鈴塚古墳出土品 **********

国指定重要文化財
重要 文化財 考古資料

指定年月日
昭和 34 年 6 月 27 日 ・令和 2 年 9 月 30 日(追加)

所在地
木更津市太田2-16-2 (木更津市郷土博物館金のすず)

所有者/木更津市

員数/一括

公開 ・非公開の別 /公開
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************ 金鈴塚古墳 ************

県指定文化財
記念物 史跡

指定年月日
昭和 25 年 11 月 3 日

所在地
木更津市長須賀430-1

所有者/木更津市

員数/251 u

公開・非公開の別/公開

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▽木更津市郷土博物館金のすず
所在地 木更津市太田2‐16‐2
※ 令和3年3月31日(水)まで休館中

〈問合せ・資料提供〉
TEL0438(23)5292 木更津市 文化課