自然の移ろいに春の訪れを感じる
二十四節気「雨水」


▼2021年の雨水は、2月18日(木)〜3月4日(木)です

暦(こよみ)は中国から日本に渡ってきたものです。
太陽暦の一年間、春夏秋冬を二十四分割したものを、二十四節気(にじゅうしせっき)と呼びます。
この場合、一年は二十四節気の「立春」から始まり「大寒」で終わります。

江戸時代に太玄斎(たいげんさい)こと、松平頼救(まつだいらよりすけ)によって書かれた暦の解説書『こよみ便覧』によれば、「雨水」は「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」と記されています。「冬の間、陰の気に覆われていた地上に陽気が発し、雪や氷が溶けて雨や水となる頃である」という意味です。この時期から草木は芽を出し始め、農作業の準備が始まります。
▼雨水とおひな様

 
地域によっては「雨水」に御雛様を飾る事は、良縁に繋がるとされている地域もあるようです。これは、雛人形は厄を移した人形を水に流していたことに由来するため、水が豊かになる雨水に雛人形を飾り始めると良縁がもたらされると考えたからだそう。

▲きさらづ歳時記 安西家のお雛様
 かつて、私たちの先祖は自然と共に暮らし営みを続けていました。「梅の花が満開になったら、田起こしを始める」など、日々の生活の中で自然の移り変わりをしっかりと見つめ、生活のリズムに生かしてきました。また「梅見」など自然の移ろいを愛で、「山菜摘み」で旬を味わうことを楽しみとして、季節の移ろいに合わせて暮らしてきました。
 生活様式や社会環境が変わってしまったので、私たちはかつての先祖のような暮らしはできないかもしれません。しかし、今でも道端にちょっと目を向ければ、「草木が芽吹いている」様子を見ることができ、場所によっては「鶯のさえずり」を聞くこともできます。
 また、「蕗の薹」や「菜の花」「春キャベツ」などの旬の山菜や野菜を味わうことで、春の訪れを感じることもできます。

▼季節のお風呂「大根湯」

 大根を使った風呂は、昔から冷え性や婦人病治療のために使われてきました。大根湯に使う干した大根の葉(干葉/ひば)には、ビタミンA、B1、C、Eやカルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラルや葉緑素が豊富に含まれています。さらに温泉成分にみられる塩化物や硫化イオンも含まれており、新陳代謝を促進し、保温効果を高める働きがあります。
冬の代表的な根菜・大根で、ポカポカ&スベスベになりましょう!

家庭で楽しむ簡単な方法
(1)切り落とした大根の葉を風通しの良い日陰で2〜10日、陰干しをして乾燥させる。
(2)しっかり乾燥させたら細かく刻んでから布袋やお茶パックに詰めたものをお風呂に。

※生の葉を使う時には、刻んでからすり鉢ですって、しぼり汁を使うようにします。

※万が一お肌に異常が現れた際はお医者様に相談してください。
※安全のため、浴槽や給湯器メーカーに利用の可否を確認してください。

 草木だけでなく、私たち人間もまた自然の中で生きています。「雨水」のこの時期、芽吹き始めた草木と同じように、私たちも春に向かっているはずです。
 コロナ禍を「冬」と例えれば、収束に向かう時期が「春」や「夏」でしょうか。そう考えると、三寒四温を繰り返しながら春に向かっていく「雨水」の時期の「春」への兆しに目を向け、明日への希望を抱くことが大切だと思います。まだまだ不自由な日々を送る本紙読者の皆さんの心の中にも、「春」が芽生えることを願っています。