自然の移ろいに春の訪れを感じる
二十四節気「雨水」


▼2024年の雨水は、2月19日(月)〜です

暦(こよみ)は中国から日本に渡ってきたものです。
太陽暦の一年間、春夏秋冬を二十四分割したものを、二十四節気(にじゅうしせっき)と呼びます。
この場合、一年は二十四節気の「立春」から始まり「大寒」で終わります。

江戸時代に太玄斎(たいげんさい)こと、松平頼救(まつだいらよりすけ)によって書かれた暦の解説書『こよみ便覧』によれば、「雨水」は「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」と記されています。「冬の間、陰の気に覆われていた地上に陽気が発し、雪や氷が溶けて雨や水となる頃である」という意味です。この時期から草木は芽を出し始め、農作業の準備が始まります。
▼雨水とおひな様

 
地域によっては「雨水」に御雛様を飾る事は、良縁に繋がるとされている地域もあるようです。これは、雛人形は厄を移した人形を水に流していたことに由来するため、水が豊かになる雨水に雛人形を飾り始めると良縁がもたらされると考えたからだそう。

▼3月3日は「上巳の節句」

 
 「上巳(じょうし)の節句」は、旧暦3月の最初の巳の日に厄除けを行っていたことに始まると言われています。現在では3月3日に、女児のいる家で雛壇を設けて雛を飾り、健やかな成長を願う行事です。
 この時期、かずさ地域の博物館や交流センターには雛人形が飾られています。
木更津市
きさらづ歳時記〜旧安西家のひな祭り〜
開催日/2月14日(水)〜3月3日(日)
年中行事の一つ、昔ながらのひなの飾り付けが木更津市指定文化財「旧安西家住宅」で行われます。華やかな段飾りのおひな様をお楽しみください。

◎期間 2月14日(水)〜3月3日(日)
◎休館日 月曜日
◎時間 9時〜17時
◎会場 旧安西家住宅(太田山公園内) 
◎対象 どなたでも
◎参加費 無料 
◎申込み 不要。直接会場へ
◎その他 新型コロナウイルス感染症対策を実施中。
立ち入りは土間部分まで、敷地内では建物等に手を触れないようにして下さい


▲きさらづ歳時記 安西家のお雛様

〈主催・問合せ〉
TEL0438(23)0011
※ 8時30分〜17時15分
木更津市郷土博物館 金のすず


木更津市
金田地域交流センター「雛人形」
開催日/3月3日(日)まで
木更津市の金田地域交流センターでは、金田地区在住の方から寄付された「雛人形」が飾られています。

◎期間 3月3日(日)まで
  ※ 月曜休館
◎時間 8時30分〜21時30分
◎会場 金田地域交流センター(木更津市金田東6‐11‐1)
◎入館料 無料
◎申込み 不要。直接会場へ



〈問合せ〉
TEL0438(97)6292
  金田地域交流センター


<かつての雛道具 合わせ貝>
やってみませんか

 

▼雛人形と金魚

○3月3日は『金魚の日』
 夏祭りのイメージが強い金魚ですが、江戸時代頃は、金魚といえば2月の中旬から3月のはじめに売られるものでした。金魚鉢をひな壇に飾るという風習があったので、金魚売りがそれに合わせて、売り歩いたそうです。金魚売りの売り声は、春を呼ぶ風物詩でした。

○なぜひな祭りに金魚が?
 女の子が健やかに成長することを祈願するイベントであるひな祭りですが、かつては「紙などでつくった人形(ひとがた)で自分の体をなでてに穢れを移し、水(川や海)に流す」ことで厄を払う行事でした。その際、ひな壇にハマグリやスルメなどの水に縁のある物を飾っていたということから、金魚も飾られるようになったようです。

 ちなみに、江戸時代は現在のようにガラスの水槽がなかったため、陶器に入れて金魚を鑑賞しました。そのため、金魚を鑑賞するには真上から眺めることに。この鑑賞法を「上見(うわみ)」と言い、「上見」にふさわしい形に金魚は改良されていったようです。

▼季節のお風呂「大根湯」

 大根を使った風呂は、昔から冷え性や婦人病治療のために使われてきました。大根湯に使う干した大根の葉(干葉/ひば)には、ビタミンA、B1、C、Eやカルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラルや葉緑素が豊富に含まれています。さらに温泉成分にみられる塩化物や硫化イオンも含まれており、新陳代謝を促進し、保温効果を高める働きがあります。
冬の代表的な根菜・大根で、ポカポカ&スベスベになりましょう!

家庭で楽しむ簡単な方法
(1)切り落とした大根の葉を風通しの良い日陰で2〜10日、陰干しをして乾燥させる。
(2)しっかり乾燥させたら細かく刻んでから布袋やお茶パックに詰めたものをお風呂に。

※生の葉を使う時には、刻んでからすり鉢ですって、しぼり汁を使うようにします。

※万が一お肌に異常が現れた際はお医者様に相談してください。
※安全のため、浴槽や給湯器メーカーに利用の可否を確認してください。

 かつて、私たちの先祖は自然と共に暮らし営みを続けていました。「梅の花が満開になったら、田起こしを始める」など、日々の生活の中で自然の移り変わりをしっかりと見つめ、生活のリズムに生かしてきました。また「梅見」など自然の移ろいを愛で、「山菜摘み」で旬を味わうことを楽しみとして、季節の移ろいに合わせて暮らしてきました。
 生活様式や社会環境が変わってしまったので、私たちはかつての先祖のような暮らしはできないかもしれません。しかし、今でも道端にちょっと目を向ければ、「草木が芽吹いている」様子を見ることができ、場所によっては「鶯のさえずり」を聞くこともできます。
 また、「蕗の薹」や「菜の花」「春キャベツ」などの旬の山菜や野菜を味わうことで、春の訪れを感じることもできます。
 草木だけでなく、私たち人間もまた自然の中で生きています。「雨水」のこの時期、芽吹き始めた草木と同じように、私たちも春に向かっているはずです。
 コロナ禍を「冬」と例えれば、収束に向かう時期が「春」や「夏」でしょうか。そう考えると、三寒四温を繰り返しながら春に向かっていく「雨水」の時期の「春」への兆しに目を向け、明日への希望を抱くことが大切だと思います。まだまだ不自由な日々を送る本紙読者の皆さんの心の中にも、「春」が芽生えることを願っています。
君津市
<2024年は確認中です!>

鄙の雛展
開催日/
◎期間 3月5日(日)まで
◎時間 各会場の開館・営業時間帯
◎会場 上総地域交流センター(君津市久留里市場192‐5)、久留里商店街の協力店舗
◎入場料 無料
◎申込み 不要。直接会場へ

〈問合せ〉
TEL0439(27)3181
  上総地域交流センター