盤洲干潟は木更津市の牛込から江川沖に広がる砂質の自然干潟です。その中心部である小櫃川河口三角州(ヨシ原)とその前面に広がる前浜干潟を小櫃川河口干潟と呼んでいます。そこは野鳥を始め、カニ、ハゼ、底生動物など、多くの生きものが生息し、塩湿地や砂浜の植物も豊富な自然観察に絶好の場所です。干潟は多くのバーダー(鳥見人)が訪れる国内有数の探鳥地であり、見られる種類は年間で約100種、今までに記録があるのは約230種です。
 春、秋に渡来するシギ・チドリたちにとって、干潟は北の繁殖地あるいは南の越冬地に向かう途中に休息と栄養補給を行う大切な場所となっています。
 冬はここで越冬するハマシギの群やダイゼンが、海上にはゴマ粒のように浮かぶスズガモの大群が見られます。海苔ヒビの向こうに行き交う巨大船、遠くに丹沢の山なみと富士山、白く輝く海ほたるとアクアラインが素晴らしい干潟景観を見せてくれます。
 一方、夏に見られる鳥は少ないですが、三角州ヨシ原ではセッカやオオヨシキリが賑やかにさえずっています。浸透実験池ではカワウが1〜6月にかけて集団繁殖し、カルガモやカイツブリも子を育てています。
 秋から冬にかけては、越冬する小鳥やカモを狙って猛きん類のオオタカやノスリ、チュウヒなどが見られます。
 ある冬の日、沖の流木にハヤブサが待ちかまえていました。すぐ近くをハマシギの群れが通過したのに襲いかかりません。群れから離れる1羽を狙っているのか、動きの速いシギには手(足?)が出せないのか、それとも満腹だったのか、じっと見送っていました。

▲ハマシギの群れを見送るハヤブサ(12月)

 ミサゴ(英名オスプレイ)が沖の杭にとまって魚を食べているのが見られます。上空でホバリングしながら水面近くの魚を狙って急降下、カギ爪を伸ばして捕ろうとしますが空振りの方が多いようです。

▲ホバリングするミサゴ(5月)

 シギ・チドリ類の嘴(くちばし)の形状は好みの餌を捕るのに特化しています。餌は一瞬のうちに飲み込んでしまうので、何を食べたのかは判りません。高速連写カメラの出番です。オオソリハシシギは、先が柔らかい上向きに反った嘴をカニやゴカイ類の巣穴に差し込んで探り捕りします。チュウシャクシギは下向きに曲がった硬めの嘴でカニを穴から引っ張り出します。ダイゼンなどチドリ類は、巣穴から頭を出している小さなカニやゴカイ類に駆け寄り、短い嘴でついばむように捕らえます。
 バードウオッチングは、見た鳥の種類を増やすと共に、鳥たちは今何をしているのかを観察する楽しみがあります。

▲オオソリハシシギのペア(10月)

盤洲干潟をまもる会
偶数月第1日曜日に行う観察会にご参加ください!
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