大晦日から元旦にかけて、古来より大切に受け継がれてきた伝統が「除夜の鐘」や「初詣」。
ところであなたは「除夜の鐘」と「初詣」について、どれだけ知っていますか?
●除夜の鐘とは
1年の最後の日を大晦日と呼びます。大晦日の行事は古く、平安時代の頃から行われていたようです。本来は歳神様を迎えるための準備をする日でしたが、仏教の浸透とともに、除夜の鐘をつく習慣も生まれました。
大晦日の夜ふけに、お寺で鳴らされる108つの鐘が除夜の鐘ですが、108とは仏教思想に基づく百八煩悩を意味しています。そこで、鐘をつくことでこれらの煩悩を1つひとつ取り除き、清らかな心で新しい年を迎えようというわけです。108回のうち最後の1回は年が明けてからつきます。これは今年1年煩悩に惑わされないように、という意味が込められているそうです。
●初詣とは
正月に初めて神社やお寺に参詣し、これから始まる1年間が幸せであるようにと祈願することを初詣といいます。そしてこの初詣には2つの説があります。1つは恵方参りが初詣になったという説。もう1つは神道の年籠りが初詣になったという説です。
■歳神様(としがみさま)
山から来る農耕神とされ、とくに稲の神様とされることが多いようです。正月の行事は、新しい歳神様を迎えて1年の幸いと農作物を始めとする自然の生命の復活と再生を祝うお祭りなのです。
■恵方参り(えほうまいり)
恵方とは、古くは正月の神の来臨する方角でしたが、のちに暦術が入って、その年の福徳をつかさどる歳徳神(としとくじん)のいる縁起の良い方向をいうようになりました。歳神様からのお下がりであるおせち料理を頂いた後、歳神様のいる方角にある神社やお寺にお参りするというのが恵方参りです。
■年籠り(としごもり)
古くは、氏子である家長たちが、その土地の氏神様をまつった神社にこもり、大晦日から元旦にかけて豊作や家内安全を祈願する行事でした。それが、大晦日から元旦にかけてお参りする習慣へと次第に変化して、現在の初詣になったと考えられています。
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