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熱中症に気をつけて!
情報提供/重城病院

▽熱中症とは
高温の環境下で体温調節や水分・塩分などのバランスが崩れ、脳や心機能、その他の臓器に重大な影響を及ぼす疾患で、病態の違いから熱虚脱・熱痙攣・熱射病に大別されます。
厚生労働省の統計によれば、熱中症での死亡件数は年平均で約70件、猛暑の年は倍以上の約150件に及び、時間帯としては午前中では10時頃、午後では13時から14時にかけて発症件数が多く、乳幼児、中高生(スポーツ)、壮年期(労働)、独居老人に多く発生しています。

▽熱中症の症状
a自覚症状 
 頭痛、吐き気、めまい、動悸、筋肉の痙攣(けいれん、つり)、痛み、脱力感、全身倦怠感(だるさ)など
a他人が見て分かる症状
 フラフラしている、動きが鈍い、顔色が悪い、息が上がっている、皮膚が蒼白、身体が異常に熱い、言動がおかしいなど

▽かかりやすい原因
個人の健康状態では下痢や発熱、睡眠不足などの体調不良がある場合、かぜ症状、二日酔などのときは注意が必要です。
温度環境としては前日より急に気温があがった場合、気温が低くても湿度が高い場合、熱帯夜の翌日は注意が必要です。
作業または運動強度では作業の初日〜3日以内、屋内作業していた人が急に外へ出て作業した場合に発症の可能性が高くなります。

▽予防するためには
休憩を充分とることが大切です。睡眠を十分にとる、十分に休憩をとりながら作業するなどの配慮とともに、休憩場所は外気との温度差を5〜7℃に保つ(低くしすぎると体調を崩すため、24℃までが良い)ことも重要です。
また直射日光や高温環境を避け、通風を確保することも重要です。例えば扇風機の風を作業場に向ける、スポット冷房をする、蓄冷剤を利用するなどです。

▽かかった場合の応急処置
経口保水塩またはスポーツドリンクなどを飲ませる(※)、霧吹きで全身に水を浴びせて、気化熱によって冷やす(口に水を含んで吹きかけても可)、動脈が集中する部分(腋の下・股など)に冷たい缶ジュースや氷枕をあてる、涼しい場所で休ませる(近くになければうちわなどで早急に冷やす)などのほか、状況に応じて速やかに病院へ連れて行く(救車を呼ぶ)ことも大切です。
熱中症は適切な休憩をとり、十分な塩分・水分を摂取することで予防効果の高い疾患です。無理せず快適に安全に過ごしましょう。
※水分補給には注意が必要です。汗で水分と一緒に塩分(Naナトリウム)が外に出て塩分不足となります。そこに大量の水分のみを摂ると体内の塩分濃度が更に薄まり、筋肉がつったり、症状が悪化したりします。水分と共に塩分を補う必要があります。
市販ドリンクは、製品によって塩分濃度が薄いものがあるので注意が必要です。
また、味噌汁やスープなど、塩分濃度が体液に近いものは、塩分補給に有効です。
(情報提供/重城病院)