国民の祝日である5月5日の「こどもの日」は、昭和23(1948)年に公布・施行された祝日法に「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」と定められています。
 かつて5月5日は奈良時代に中国から日本に伝わってきた五節句の一つである「端午の節句」の行事が行われてきました。健康を保ち邪気を祓(はら)う力があると信じられていた菖蒲(しょうぶ)を飾ったり、菖蒲湯に入浴したり、菖蒲酒を飲んで厄除けや健康を祈願したといわれています。このことから「菖蒲の節句」とも呼ばれてきました。
 江戸時代になると「菖蒲(しょうぶ)」の音が、武を重んじる「尚武(しょうぶ)」と同じであることから、「端午の節句」は「尚武(しょうぶ)」の節句として武家の間で祝われるようになったようです。地域によって違いはありますが、幟旗(のぼりばた)、鯉のぼり、鎧兜や五月人形を飾ったり、ほか粽(ちまき)や柏餅(かしわもち)を食べて、家の後継ぎとして生れた男の子が、無事成長していくことを祈り、一族の繁栄を願う重要な行事として定着してきました。
 明治時代に入ると「五節句」は国の制度としては廃止され、その後「こどもの日」と定められている5月5日ですが、子どもの健やかな成長を願う気持ちは変わらず、その風習は今でも受け継がれています。
 なお国際的には、福祉世界会議で6月1日を「国際子供の日」、国連総会で11月20日を「世界こどもの日」と制定していますが、6月1日に行事を行う国が多いようです。
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